インドネシア=ENIとのバイオリファイナリー建設を断念
インドネシア国営石油ガス会社プルタミナは1月末、イタリアのエネルギー大手ENIとの提携により、インドネシア国内で計画していたバイオリファイナリーの建設を取り止めると発表した。両社は約1年前に、老巧化したインドネシアの一部石油精製施設をバイオリファイナリーに転換するなどの「グリーンエナジー施設」建設プロジェクトを共同で推進することで合意していた。 プルタミナが操業するプラジュ(日量13万3,700バレル)やデュマイ(同17万バレル)の両製油所をパーム原油使用の生産施設に変えることなどが含まれる。インドネシアは原料となるパーム油の世界最大の生産国であり、環境問題への取り組み強化や自国資源活用による国家財政の改善を重視するインドネシア政府の方針にも合致するものだった。 しかし、ENIが提携の前提として、使用するパーム原油について国際認証を要求。これに対しプルタミナは難色を示していた。ENIが要求する認証は、パーム油の持続可能な生産を重要視する欧州型のRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)認証基準で、インドネシア独自のパーム油認証基準であるISPO(Indonesia Sustainable Palm Oil)と異なる。 インドネシア政府は、森林伐採の防止や環境保護などを目的に独自基準であるISPOを立ち上げていた。一方、欧州型の認証基準に対しては生産コストが嵩むなどの理由から受け入れを拒否する姿勢を維持している。 |
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