原油・コンデンセート=8月5~9日:栄盛石化、カナダ産AWBを購入
中東 カタール産コンデンセートの10月積みの商いでは、国営カタールエナジー(QE)によるD.F.C.およびL.S.C.の供給余力が前月と同様、限定的となりそうだ。気温の高い状態が続くカタールでは、国内のコンデンセートスプリッターにおける処理水準が依然として高い水準にとどまっており、QEがこれらの国内向けの供給を優先させるものと見られる。9月積みの商いでQEは、入札を通じてL.S.C.を2カーゴ販売する一方、D.F.C.は入札とともに、個別交渉による販売も見送っていた。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ 中国の独立系大手栄盛石化(Rongsheng Petrochemical)は、先週に締め切った11月着の買付け入札で、域外産原油としてカナダ産のアクセスウェスタンブレンド(AWB)計4カーゴ(各55万バレル)を購入した。いずれも60万バレルを積載可能なアフラマックス型船仕立てで、英BP、米フィリップス66およびコノコフィリップス、欧ビトールが各1カーゴを販売した。価格は、12月もしくは1月限ICEブレント指標に対して6.00~6.50ドルのプレミアムとなったようだ。栄盛石化は前月も入札によってAWBを手当てしており、中国企業を始めとしたアジアの需要家の多くが購入を検討している。
南方 10月積みベトナム産の商いでは、ベトナム国営PVオイルがチムサオの販売入札を開示した。この入札はベトナム時間12日9時応札の締め切りで実施され、対象は9月29~10月3日積みの10月22~26日積みの計2カーゴ(30万バレル)。9月積みのチムサオは1カーゴの販売に留まったが、PVオイルは10月積みの販売量を2カーゴに増やした。このため、潤沢な供給を背景に市場のセンチメントは軟化し、10月積みチムサオの落札価格は9月積みを下回る公算が大きい、とシンガポールのトレーダーはみている。さらに、WTIミッドランドを中心とする米国産軽質原油の最近の相場下落も弱材料視されている。
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