アジア石油製品=7月29日~8月2日:ジェット燃料は下落、中国からの売り気多く
ガソリン メキシコ向けの買いが増え、オキシー品の市況が上昇 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軒並み上昇した。メキシコなど域外向けの需要が増え、オキシー品の市況は強含んでいる。足元市況の強さを背景に、シンガポールの先物市場で8月と9月限の月間価格差は1.60ドルの期先安に拡大している。アジアから米西海岸向けのアービトラージが開いているなか、メキシコ向けの買いが続いている。これまでに、メキシコ国営石油会社(ぺメックス)は8月に中国やシンガポール積みとしてMR船型5~6カーゴを購入しているという。北東アジアでは今週、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が8月に大連出し92RONガソリンLR船型をシンガポール向けに販売したとの情報が寄せられた。
ナフサ FPCC、第2クラッカーを停止 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は軟調。ナフサクラッカーの稼働調整や、トラブルを背景とする需要の弱さが重石と指摘された。日本のナフサクラッカーが複数不具合を抱えている。 台湾ではフォルモサ石油化学(FPCC)が1日、第2ナフサクラッカーの稼働を停止。台湾中油(CPC)も9月着品のスポット調達をしない方針と伝えられた。欧州とのアービトラージ縮小が強材料として挙げられるものの、現時点では下方圧力が勝っている様子。 韓国のロッテケミカルは31日、入札を通じて9月前半ヨウスおよびデサン着ナフサを購入した。日本の三菱ケミカル旭化成エチレン(AMEC)は31日、入札で9月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで購入した。同社は1日、2024年10月~25年3月受け渡しとするターム契約の買い入札を開示した。
中間留分 ジェット燃料相場は軟化、中国からの8月積みの売り気多く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落した。中国からの売り気が多くスポット相場を下押しした。中国石油会社が8月下旬積み品の販売を継続。大連西太平洋石油化工(ウェペック)は7月31日締めの販売入札を通して8月24~26日積みのMR船型1カーゴを販売した。中国海洋石油(CNOOC)も8月28~30日積みのMR船型1カーゴを販売していた。中国勢による販売は多く、8月積みの販売は香港向けを含み約170万トンに達するとの見通しがある。域外向けのアービトラージも閉じていることから引き合いが限られ、需給は緩んでいる。日本勢による8月品への買い気はほぼ一巡したことも、相場の弱材料となった。 SAF関係では再生可能エネルギー大手のネステが、ギリシャの大手エネルギー会社ヘレニック・エナジーと提携し、同社がテッサロニキに保有する施設に持続可能な航空燃料(SAF)を供給した。船舶による本格的なSAF供給は同国で初となる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。フレート安を受けてFOBベースの相場が切り上がった。北東アジアでは台湾フォルモサ石油化学(FPCC)が入札を通じて9月5~9日積みのMR船型と18~22日積みの75万バレルをそれぞれ販売した。台湾中油(CPC)も1日、入札を通じて9月1~10日積みの45万バレルを販売した。韓国では、SKエナジーが1日締めの入札で8月14~16日と26~28日積みとしてMR船型2カーゴの販売入札を実施していたものの、入札は取り消しされた。内需不振で緊急販売に乗り出していたが、応札価格が想定より割安だったため、取りやめたとみられる。
重油 LSFO市況の低迷続く 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。シンガポールを中心とするアジア市場で荷余り感がやや後退し、相場を押し上げた。市場関係者によると、このところ発電用として重油の需要が増加している中東から、アジア向けのカーゴが減少していることが背景にあるという。ただ、引き続き北東アジアではバンカー用、発電用ともに需要が低迷しているため、相場の上げ幅は限られているとの指摘も聞かれた
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