電力=6月10~14日:前週比で東西ともに反発、高めの気温と太陽光減で
6月10~14日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに反発した。全国的に高めの気温動向となり、東北から九州では30度前後の地域が多くなるなど冷房需要が強まった。また、西日本では九州南部が6月8日、四国が6月9日にそれぞれ梅雨入りするなど前週に比べて雲が多くなり、太陽光発電の減少も強材料となった。 東北エリアでは、11日から13日の3日間、夕方時間帯の需給が逼迫し、東京から融通を受けた。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、10日が2.22円、11日が2.37円、12日が2.85円、13日が1.83円、14日が2.05円の東高西低だった。
燃料相場は、前週比でLNG、石炭、原油のいずれも上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、6月13日時点で期近の24年7月着品がmmBtuあたり12ドル台半ばとなり、前週末時点(6月7日)から0.7ドル程度の上昇となった。欧州の天然ガス相場が上昇したほか、豪州のウィートストーンプロジェクトの生産停止も強材料となった。経済済産業省が12日に公表した、6月9日時点の発電用LNGの在庫は210万トンとなり、前週から13万トン減少した。前年6月末時点の208万トン、過去5年平均の201万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、6月13日時点で24年6月積みがトンあたり134ドル台後半となった。前週末から6.5ドル程度の上昇となった。 原油相場は、14日午後時点でWTIの24年7月物がバレルあたり78ドル台前半、ブレントの24年8月物が82ドル台半ばで推移した。前週末からいずれも3ドル程度の上昇となった。米エネルギー情報局(EIA)が24年の石油の需要見通しを上方修正したほか、米国でインフレ鈍化を示す経済指標が示されたことを受け、原油先物は買いが先行した。
週を通じた実勢高値は、14日に東日本で付けた21.66円。一方、実勢安値は11日と13日、14日に九州で付けた0.01円となった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比1.99円高の12.66円、東北が同2.03円高の12.64円、東京が同2.20円高の13.65円、中部が同2.85円高の12.06円、北陸と関西が同2.82円高の11.38円、中国が同2.43円高の10.93円、四国が同2.02円高の10.43円、九州が同1.91円高の10.32円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比9.8%減の10億2,295万9,080kWh、買い札が同7.1%増の8億8,575万6,050kWhとなった。約定量の週間平均は同2.2%増の6億7,118万8,080kWhだった。
6月10~14日の9エリアの電力需要は、114億1,707万7,000kWhとなり、前週6月3~7日の106億386万9,000kWhから7.7%増加した。なお、曜日を合わせた前年の6月12~16日の需要実績は112億552万1,000kWhで、増加率は1.9%となった。
6月10~14日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
6月10~14日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
6月10~14日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
6月第3週の電力スポットは、一段高となりそうだ。週を通じて、愚図ついた天気が予想され、太陽光発電は第2週に比べ減少する見通しのほか、最高気温は九州から東北南部にかけて30度前後と蒸し暑い日が続く見込み。冷房需要の強まりで、価格も底上げの動きになるとみられる。足元では、九州南部と四国が梅雨入りしているが、第3週には梅雨入りの地域が広がりそうだ。
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