LNG=6月10~14日:半年ぶりの高値
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時12.75~13.05ドルで推移した。蘭TTF市況の上昇のほか、豪ウィートストーンプロジェクト(年産890万トン)での生産停止乱で、約半年ぶりの高値を更新した。 豪ウィートストーンプロジェクトがプラットフォームの燃料ガス供給システムで障害が発生したため、10日夜に稼働を停止した。現時点での数週間の停止が見込まれている。一部の需要家は船積みの延期を打診されたとも伝えられた。同プロジェクト積みの商談では、九州電力が以前に販売入札を検討していたものの、今回の生産停止を受けて実施を見送ったもよう。 今後の日本の需要動向に市場の関心が集まっている。夏場の需要期を控え、「ウィートストーンプロジェクトの停止の影響で同プロジェクトからの調達量が減少すれば、スポット市場で代替調達に動く可能性がある」(日本企業)。また、東北電力の原町石炭火力発電所2号機(同100万kW)が計画外の要因で停止しており、同社が今後、代替燃料としてLNGを購入する可能性を指摘する市場関係者もいる。期先着の商談では、詳細こそ明らかではないものの、東京ガスが9月着を購入したとみられている。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 バングラデシュでは6月着の最大4カーゴの入着がキャンセルされたと伝えられている。キャンセルしたプレーヤーは明らかになっていない。同国では、浮体式貯蔵再ガス化装置(FSRU)として利用していた標準型「Summit LNG」(容量13万8,000立方メートル)号が5月27日にサイクロンで損傷したため、市場関係者がLNGの輸入遅延を懸念していた。
独ユニパーが露ガスプロムと結んでいた、ノルドストリームパイプライン経由の天然ガスの長期契約を正式に打ち切ると発表したことを受け、市場のセンチメントが強気に振れている。
|
|