アジア石油製品=4月8~12日:ジェット燃料は上昇、ナフサは下落
ガソリン 強材料が散見、相場は底固い 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、市場では強材料が散見され、相場は底固い様子だ。シンガポールの先物市場では、5月と6月限の月間価格差が1.35ドル近辺の期先安となっており、トレーダーなどは月間価格差のリスクを意識し、5月前半積みに対して買い気を強めそうだ。また、アジアから米西海岸向けのアービトラージも開いているため、メキシコ向けの買い気も期待されている。先週の市場では、複数の4月中国積みカーゴがメキシコ向けに成約されていた。東南アジアでは、ベトナムのペトロリメックスが5月上旬積みの92RONガソリンと下旬積みの95RONガソリンそれぞれ1万1,000トン程度の買いに出ている。北東アジアでは、韓国のGSカルテックスが5月積みの輸出計画を決めているようで、近くに売りに出そうだ。同社は製油所の定修を一段落したこともあり、スポットの販売余力がありそうだ。 韓国の石化1社は入札で、5月後半着最低パラフィン比率70%品をCFRベースで同市況比3.00ドルのプレミアムで購入した。30日前評価。日本の石化1社は入札を通じて、5月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同市況に対し、5ドルを下回るプレミアムで購入したと伝えられた。 中東の製油所の定期修理が各地で終わり、カタールなどの供給力が回復したことが主な材料とみなされている。一方でオレフィンの精製マージンを確保できないため、ナフサクラッカーの稼働率は日本や韓国で平均8割程度とみられる。ナフサの消費量は依然として抑えられており、需要が増える兆しは見えず。 需要面ではベトナムペトロリメックスから買い気が浮上している。ペトロベトナムのズンクアット製油所が定期修理中であることが買いの背景にあるとの指摘がある。
重油 中国の受け入れ余地乏しく 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合った。韓国積み品の新たな商談は聞かれず。韓国で一部石油会社が定修のため製油所の稼働が低下。このため高硫黄重油の出物も限られている。ただし、主要な輸出先である中国では、国営および独立系石油会社が重油の精製を増やしており、韓国品を受け入れる余地が乏しくなっているという。「需給緩和感が解消される見通しが立っていない」(韓国石油関係者)との声が聞かれる。
マーケットニュース 韓国のS-オイルは4日、国際持続可能性カーボン認証(ISCC)のCORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)認証を取得した。同認証を取得したことで、韓国で初の持続可能な航空燃料(SAF)の生産が可能な企業となった。市場関係者によると、同社は5~6月中にバイオ由来の製品の生産を開始する予定。少量であれば6~7月から、MR船型であれば今年末ころから販売を開始したい考え。
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