アジア石油製品=4月5~9日:軽油が堅調、豪州やフィリピンの需要増で
ガソリン 北東アジアのガソリン(MR船型)は変わりがない。日本の元売りが輸入に踏み切っている。製油所の計画外停止を背景に、日本の元売り1社がこれまでに輸入用として複数MR船型を調達したとの情報がある。また、他の元売り1社は夏場の6~9月に月間MR船型1~2カーゴの韓国産ターム品を輸入する予定。また、インドネシア国営プルタミナも4月分のガソリン40万バレルの買いに動いていたようだ。
ナフサ 北東アジアの市場関係者によると、「日本着ナフサ相場はやや軟化している」という。背景として、韓国のハンファトタルや出光興産、タイのIRPCなどのナフサクラッカーが定修入りしていることで、ナフサ需要が軟化していることが挙げられるようだ。 中東積みナフサの市況連動相場はもち合い。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が5月以降に増産基調となることで、中東積みナフサの供給も増加するとみられる一方、「アービトラージの縮小によってアジア向け供給総量は相殺されるが、中東品質ナフサへの依存はより高まるだろう」(同)との見方が聞かれた。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)、中国積み0.005%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含み。需要増が相場を押し上げた。豪州やフィリピン向けとして超低硫黄軽油の需要が増えているようだ。その影響で、シンガポール市場でも買いが強まり、市況は強含んでいる。 韓国積み0.001%S軽油(SR船型)の市況連動相場も上昇。需要増の見通しが相場を押し上げた。韓国品の主要な仕向け先である日本から買いが増えそうだ。日本国内では、製油所の計画外停止を背景に、元売り1社の供給に不足が生じているため、同社は国内の海上市場で不足分を調達している。このため、日本商社などが韓国品の買いを強める可能性がありそうだ。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国の現代オイルバンクは、デサン製油所(日量69万バレル)の稼働率をフル水準に引き上げて操業している。同社は一時不足していたVLSFOの供給も再開している。ただ、現代オイルバンクの製油所のフル稼働はVLSFOよりも他の石油製品の生産に重点を置いていることに起因するようだ。韓国石油会社によると、「むしろ市場では供給は過多」なもよう。
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