原油・コンデンセート=3月29~4月2日:IFADがマーバン取引を開始
中東原油/コンデンセート ICEアブダビ先物取引所(IFAD)で29日からマーバンの取引が開始された。IFADマーバン先物市場のシンガポールマーカー価格が、1日以降の平均値が6月積みOSPとして採用される。同指標で決定されるマーバンOSPは、他のウムルル、ダス、アッパーザクムの他のアブダビ産原油のOSPのベースともなるため、市場関係者はIFAD市場の価格動向に注目している。一部の日本の元売りや中国の需要家などは、価格動向を見極めることを優先し、現時点では積極的に取引に参加することを見送っている。これには、IFADでの取引における与信などのコスト上の負担が、他の先物市場などと比べて大きいことが一因と指摘されている。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート リビアでは原油生産が徐々に増加しており、日量120万バレルの水準で推移していると伝えられた。2020年9月に輸出港や生産設備が武装勢力から解放されて以降、OPECプラスによる協調減産の枠組みから免除されていたこともあり、リビアでは原油生産が順調に回復していた。「欧州で新型コロナウイルスの感染拡大で需要が低迷するなか、リビア産原油の生産増により、欧州や地中海市場ではアフリカ産原油や地中海産原油の荷余りが深刻で、需給が悪化している」とシンガポールのトレーダーは指摘した。
南方原油/コンデンセート 5月積み豪州産NWSCの市況連動相場は、一段安となった。アジアにおけるナフサのクラックスプレッドが悪化しているなか、コンデンセートの需要も低迷している。米シェブロンは今週半ばまでに5月下旬積みのNWSC65万バレルを販売した。買い手は米エクソンモービルとみられ、価格はDTDブレントに対し1ドル台半ばから後半のディスカウントだったと伝えられた。一方、NWSCなどコンデンセートの主要な買い手であるインドネシアの国営プルタミナは同国の石化TPPI向けの5月着の買い入札を未だに開示していない。プルタミナが運営するバロンガン製油所の火災の影響で、TPPI向けの入札が開示されるか疑問視する向きも散見された。
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