電力=1月18~22日:インバランス上限適用で軟化も高値水準続く
1月18~22日受渡の電力スポット価格24時間は、東西ともに前週比で下落した。厳しい寒さによる需要増加と燃料不足による供給低下で、記録的な高値が続く中、17日受渡からインバランス価格に200円の上限が設けられたことで、市場では高値に対する不安も緩和。22日受渡では、高値も200円割れとなるなど価格下落の動きが進んだ。ただ、火力発電の出力低下が引き続き多く見られたほか、東日本では西日本のように原発の稼働もないため、価格下落が進んだ中でも東日本の割高さが目立つ値動きとなった。
週を通じた実勢高値は、18~21日受渡の全9エリアとシステムプライスで付けた200.00円、実勢安値は20日受渡の九州で付けた4.32円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は前週比55.18円安の84.99円、東北は同55.06円安の84.99円、東京は同55.10円安の84.99円、中部は同46.86円安の78.67円、北陸、関西、中国、四国は同48.46円安の80.22円、九州は同47.71円安の80.13円だった。
1月18~22日の9エリアの電力需要は144億6,918万3,000kWhとなり、1月11~15日の148億5,045万7,000kWhから0.4%減少した。なお、曜日を合わせた前年の1月20~24日の需要実績は137億9,206万5,000kWhで、前年からの増加率は7.3%となった。
JEPXの先渡市場では、19日に約定が確認された。関西エリアの3月月間受渡の24時間型で、9.50円が6MWだった。同商品では、今月11日に8.32円で1MWが2件、13日に9.32円で5MWの約定があった。
1月18~22日の東京商品取引所(TOCOM)の電力先物市場の約定結果は下記表のとおり。TOCOMでは、JEPXのスポット市場で記録的な高値が続いていることを受け、15日取引分から取引の値幅制限を従来の4.00円から8.00円に拡大したとともに、18日取引分からは21年1月限のみ帳入値の前日から値幅をそれまでの10%から20%に拡大し、スポット市場の実勢価格に近付ける処置が取られた。
1月18~22日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
1月25日の週も週半ばまでは、高めの気温が続く見通しのため、価格も前週のような極端な高値は解消されると見られる。燃料のLNGもそれまでのような極端な不足状況は解消し始めていると見られ、火力発電の出力低下も徐々に通常運用に戻る見通し。ただ、週後半には再び寒さが強まる予報のため、価格は底上げの動きになると見られる。 |