アジア石油製品=1月18~22日:韓国積み0.3%S重油は上昇、国内電力需要の増加で
ガソリン 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化した。需要不振が相場を下押した。新型コロナウイルスの感染が拡大している中、インドネシアを中心とした東南アジア諸国のスポット買いが低迷している。既報のとおり、インドネシアからはスポットの買いが長らく見られない。また、豪州向けにも買いが限られるようだ。2月韓国積みの92RONガソリンについて、成約の情報は聞かれていないものの、成約が可能な水準はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.80ドル近辺のディスカウントになりそうだとの指摘が多数聞かれた。足元、韓国石油1社が2月積みのスポット販売を進めているが、取引の情報は寄せられていない。同社はこれまでに、2月韓国積みMR船型をベトナム向けに販売したという。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国のLG化学が3月前半着オープンスペック・ナフサ5万トンを日本市況に対し小幅ディスカウントで購入に至ったもよう。三井化学は4月前半着千葉向けオープンスペック・ナフサをカーゴ到着60日前の評価で日本市況に対し2ドルのプレミアムで購入に至ったとの情報が寄せられている。北東アジアの市場関係者によると、「三井化学の成約はカーゴ到着30日前評価では日本市況に対し10ドル弱のプレミアムになる」という。また、同社は3月前半着大阪向けナフサの買付け入札についても実施を検討しているもよう。一方、大韓油化工業(KPIC)およびロッテケミカルも3月前半着品の調達に動いているようだ。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は韓国積みが小幅高。日本向けの買いが韓国積みの相場を押し上げた。製油所のトラブルを背景に、出光興産がジェット燃料の輸入に踏み切っている。市場関係者によると、出光興産は先週、2月韓国積みジェット燃料MR船型を調達したようだ。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し50セントのプレミアムと伝えられた。既報のとおり、出光興産の北海道製油所(日量15万バレル)では7日深夜に火災事故が発生し、常圧蒸留装置などが稼働を停止している。これらは、早ければ今週中にも稼働再開を目指している。供給面では、中国海洋石油(CNOOC)が先週末、2月積みとしてジェット燃料MR船型の販売に乗り出していたものの、成約の情報は寄せられていない。一方、新型コロナウイルスの感染が続いている中、ジェット燃料の需要は弱いままで、日本以外の買いは見られない。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。韓国で発電向け0.3%S重油の需要が伸長したことを受けた。このところ、韓国の電力会社1社は、韓国着0.3%S重油をシンガポール市況(180st)に対し140.00ドル強のプレミアムで買い付けたとの情報が寄せられている。ただ、タイミングなどの詳細は明らかとなっていない。韓国石油会社によると、「韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180st)に対し120ドル程度のプレミアムへと上昇している」とみられている。
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