LNG=1月11~15日:北東アジア相場が反落、電力会社が買付けに一定のめど
DES北東アジア相場は反落した。商いの中心となる2月後半着が23.85~24.15ドルと前日から3.00ドル安となった。市場のセンチメントの強さが後退した。唱えを大幅に切り上げて買付けに動く需要家やトレーダーが少なくなった。日本の電力会社と都市ガス会社、韓国の需要家の多くが2月後半着の買付けにめどをつけつつあるとともに、このところの相場急騰で割高感を強めた多くの中国企業がスポット購入を控え始めた。日本ではここ数日、気温が例年の水準を上回ったことで、日本の卸電力取引市場では翌日渡しの相場が急反落した。この点もLNG相場の地合いを弱める要因となった。供給面でも弱材料が散見された。マレーシアのビンツルプロジェクト(年産2,800万トン)では、パイプラインの障害で12月中旬以降、生産が減少していたが、ここへきて液化設備の稼働が正常化した。13日の市場で伝えられたイクシスプロジェクト(同890万トン)のガス漏れに伴う設備障害も、軽微な影響に留まることが確実視された。さらに米ガルフ出しは、渋滞の見られたパナマ運河を経由して15~16隻が北東アジアへ向け航海。1月下旬以降に多くが日本や韓国へ到着する見込みとなったことから、北東アジアでこれまで強まっていた供給タイト感が和らぎ始めた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 スペインのユニオンフェノッサガス(UFG)が19日締めで販売入札を開示した。対象はエジプトのダミエッタプロジェクトで2月14日に船積みされる1カーゴ。応札価格の有効期限は21日。同プロジェクトの公称生産能力は年間500万トンだが、エジプト国内のエネルギー需要増を受け、輸出が手控えられていた。実際に落札されて出荷されれば2012年11月以来およそ9年ぶりとなる。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 ノルウェーの国営エキノールが7日に締め切った、同社のスノービットプロジェクト(年産430万トン)向けの買付け入札の落札結果は15日午後の時点で明らかにならなかった。エキノールは今回の入札で、1月15~31日に同プロジェクトに到着する1カーゴを買付ける意向だった。スノービットプロジェクトでは、2020年9月下旬に発生した火災の影響で稼働が停止しており、稼働再開に1年以上を要すると伝えられた。エキノールは、スノービットプロジェクトの停止期間が長期化していることから、備蓄設備の冷却用にLNGを必要としており、今回の入札で1カーゴを調達することにした。 |
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