国内石油製品=1月4~8日: 陸上 原油高も需給緩和感から上値は重たい展開
【陸上】
東名阪の製油所出しは方向感の定まらない展開となった。原油相場が連日上昇したため、ENEOSをはじめとした元売り各社が翌週の仕切り価格を引き上げるとの観測が広がった。先高期待から値取りを優先する業者がみられた。一方、政府が7日に緊急事態宣言を発令。ガソリン、軽油、重油などは外出自粛、工場の稼働低下で実需が後退するとの懸念が広がった。需給の緩みが嫌気され、早めに手持ち玉を消化したいとする向きも見受けられた。灯油は厳しい寒気の到来に加え、巣籠り需要が盛り上がるとの見方から積極的な買いがみられた。ただ、一部元売りが販売に意欲的だったため、供給は潤沢で相場の上値は重たかった。
【海上】
原油、先物相場が連日上昇したため、概ね堅調に推移した。ENEOSをはじめとした主要出し元各社が仕切り価格を引き上げたことも下支え要因となったようだ。こうした中、出光興産の北海道製油所で火災が発生し、8日に常圧蒸留装置(トッパー)が停止した。稼働再開には相当程度の時間がかかるとの見方から北海道の灯油需給が引き締まるとの観測が浮上した。ところが、同元売りが国内海上市場でのショートカバーに動くとの見方は乏しく、相場への影響は限定的だった。現実の商社タンクの在庫をインタンクトランスファー(ITT、所有権の移転)で調達するか、もしくは輸入玉を充てるとの公算が大きいとの見方が背景にあった。
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