アジア石油製品=11月16~20日:中国積みガソリンは軟調、需要減退で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化。需要不振が相場を下押した。既報のとおり、アジアの最大需要国であるインドネシアからスポットの買いがしばらく出ていない。東南アジアの需要が振るわないため、トレーダー筋はカーゴの調達に積極的ではない。この中、中国山東地域の独立系製油所1社が18日、12月12~14日積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し80セントのディスカウントと伝えられた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、三井化学が大阪工場向け12月後半着ナフサ少量を購入していたもよう。価格は不明。ただ、北東アジアのトレーダー筋は「日本勢による12月後半着玉の買付けは一巡したとみられる。次の買い気は、年末に向けた在庫調整が終了した後の時期にみられるだろう」という。一方、「日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対し4ドル程度のディスカウントとやや上昇している」と北東アジアの石油会社は伝えている。アジアの石化市場でアロマティクス市況が上向いており、石化基材となるナフサ相場にも強材料となっている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。スポット市場の売り物は生産調整の影響で乏しく、オファーの引き上げに動く石油会社がいる。複数の韓国石油会社からはシンガポール市況に対して80セント程度のディスカウントであれば売りに応じたいとの声が寄せられる。かねてより、韓国国内の需要は堅調との指摘もあり、さらに唱えを引き下げて輸出で在庫を消化しようとするケースは少ないという。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化。韓国では、バンカー市況の軟化によって船舶燃料向けVLSFOの基材となる0.5%S重油の需給動向も悪化する懸念が浮上した。SKエナジーは、11月のVLSFO販売計画を30万トン程度と目しており、供給増による市況軟化が意識されている。これを受け、「韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は、シンガポール市況(0.5%S)に対し15.00~25.00ドルのディスカウントへと下落している」と韓国石油会社はみている。また、Sオイルは12月13~15日積み0.5%Sスラリー油2万4,000トンをシンガポール市況(0.001%S軽油)に対し40~50ドルのディスカウントで販売に至ったもよう。買い手は不明。一方、ベトナムのニソン製油所は12月5~7日積み重油1万トンの販売入札を実施している。応札の締め切りおよび応札価格の有効期限は25日。
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