LNG=10月12~16日:北東アジア着相場が上昇、厳冬見込みで買い増加
DES北東アジアのスポット相場は強含んだ。商いの中心となる12月前半着の相場は5.70~5.80ドルと9月末から40セント前後上昇した。ラニーニャ現象の発生に伴い、12月~2021年2月の気温が例年を下回るなど厳冬予報が出ていることを受け、需要家の多くが冬場着カーゴを前倒しで購入することを検討し始めた。日本の電力会社など北東アジアの一部需要家は、猛暑の影響で秋口における在庫が計画を下回っているところも多く、在庫積み増しの需要が散見される。豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)の生産量が少なくとも1月まで通常時の60~70%に留まる公算が大きいうえ、豪プレリュードプロジェクト(同360万トン)の稼働停止が長期化しており、これらプロジェクト出しを長期契約で引き取る企業が、冬場の在庫確保に動き始めた。15日の市場では、中国の独立系エネルギー企業に加え、韓国のプリズムエナジー、日本のJERA、関西電力、入札で石油資源開発(JAPEX)などがスポット購入を検討した。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 バングラデシュ国営ペトロバングラの傘下であるRPGCLが買付け入札を開示した。対象は、12月9~12日に同国のモヘシュカリ基地(年間受入能力380万トン)へ到着する1カーゴ。応札の締め切りは10月20日となっている。バングラデシュでは発電用にガス需要が増加しており、RPGCLはスポット購入によって調達したい意向だ。RPGCLは現在14社と基本売買契約書(master sales and purchase agreement)を締結している。14社の内訳は、三井物産、丸紅、大阪ガス、JERA、ダイアモンドガスインターナショナル(DGI)、米シェニエール、米エクセラレート、欧ビトール、欧トラフィギュラ、豪ウッドサイド、伊炭化水素公社(ENI)、AOTトレーディング、マレーシアペトロナス、サミットコーポレーションとサミットオイルアンドシッピングの共同体。RPGCLは今回もこれらの会社に対して応札を求める見通し。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 9月28日に火災の発生したノルクェーのスノービットプロジェクト(年産490万トン)の稼働停止は、2021年1月までと長期化する公算が高まった。スノービットプロジェクト出しのカーゴは通常、8~9割が欧州へ仕向けられている。欧州以外には、ポートフォリオプレーヤーがエキノールから長期契約などで購入したカーゴをインドや中国などアジア向けに転売するケースがわずかにみられる程度。スノービット出しは、同プロジェクトの権益を持つ仏トタルがフランスへ多くを取り込む他、主にスペイン、オランダ、英国などへ仕向けられている。また、ポーランド向けも多く、同国のPGNiGが長期契約玉を含めシフィノウイシチェ(Swinoujscie)基地(年間受入能力370万トン)へ取り込んでいる。 |
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