LNG=10月5~9:北東アジア着相場が小幅続伸、供給タイト感強く
DES北東アジアのスポット相場はわずかに上昇した。商いの中心となる11月後半着の相場は5.30~5.40ドルと先週から5セント強含んだ。大西洋圏の需給タイト化に伴う相場上昇を受け、北東アジア着相場も小幅ながら強含んだ。米ガルフ出しやノルウェーのスノービットプロジェクト(年産490万トン)出しが直接北東アジアへ仕向けられることは多くないが、需給タイト化で大西洋圏や中東出しのカーゴが相場上昇の見られる欧州や南米に多くが仕向けられることになると、北東アジア向けの供給が逆に少なくなる。このように、北東アジア着の相場は、大西洋圏に連動して動くケースが多く、ポートフォリオプレーヤーを中心に大西洋圏の相場に強い関心を寄せた。北東アジア向けの商いでは、韓国S-オイルと高炉大手ポスコが11月後半から12月着の買付けに動くとともに、関西電力やJERAなど日本の需要家も12月着の買いに動いた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 クウェート国営石油(KPC)は、12日締めでミナアルアマディ基地向けの買付け入札を実施した。対象は11月19~20日着。同社は先月30日締めの入札を通して11月7~8日着を手当てしたとみられるが、落札価格や落札者については情報が得られていなかった。「こういった落札情報が伝わらない状況下では通常、カタールガスまたはシェルが落札しているケースが多い」(日本需要家)と指摘した。
露ノバテックは、ヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)出しを対象に販売入札を開示した。12月1日~2021年6月末の間に6カーゴを販売する。いずれも欧州着ベースでの販売となりそうだ。応札の締め切りは8日。ノバテックは、ヤマル出しの販売に関し、仏トタルやスペインのナチュルジーなど長期契約者へ大半のカーゴを販売しているが、足元の生産が好調と見られ、今後半年の間に余剰玉が発生すると判断しスポット販売に踏み切ったと見られる。またヤマル出しは、海氷の厚さが増す冬場の間、北極海ルートで北東アジアへカーゴを販売できないため、12月以降に供給余力が増える傾向にある。
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