アジア石油製品=8月31~9月4日:0.001%S軽油市況は強含み、供給減見通しで
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。先物市況が期先高を広げていることが影響した。シンガポールの先物市場では、9月と10月限の格差は20セントの期先高で推移している。この中、中国海洋石油(CNOOC)が28日、入札を通して9月29~30日華南積みの92RONガソリンMR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し35セント前後のディスカウントと伝えられた。一方、インドネシアなどの東南アジア諸国からは依然としてスポットの買いは確認されていない。市場関係者によると、インドネシアによる9月分の輸入量は900万バレル程度になりそうだとの見方が聞かれる。
ナフサ 北東アジアのトレーダー筋は、「ENEOSのトラブルやコスモの定修入りによる製油所の供給引き締まりによって、日本勢のスポット買いも伸びている」とみている。一方、ヘビーフルレンジナフサ市況は、ガソリン基材としての需要減退を背景にライトグレード相場に比して割安に推移している。アジアの液化石油ガス(LPG)市場では、ナフサに対して割安なブタンの販売が進んでいる。ただ、「じきにLPG価格は季節要因によって上昇し、LPGの価格優位性がなくなってナフサの需要も回復するだろう」とアジア市場関係者はいう。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。供給減の見通しが相場を押し上げた。精製マージンの悪化を背景に、石油会社が減産に踏み切る可能性が指摘されている。シンガポールの先物市場では、ドバイ原油に対する軽油の精製マージンが3.00ドル台に落ちている。その中、中国石油1社は今週、9月下旬積みの0.001%S軽油MR船型2カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し90セントと1.20ドルのディスカウントと伝えられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はじり安。このところの市況高騰の反動を受けた。同様に、アジアの主要市場であるシンガポールでは、欧州からのアービトラージ品の流入による供給増で、相場がやや後退している。一方、台湾中油(CPC)は今週初め、10月着0.3%S重油4万トンを入札を通じて買い付けていた。価格は不明なものの、同重油は高硫黄重油などを含む仕様のため、割安に取引されたもよう。また、フォルモサ石油化学(FPCC)は10月に残渣油脱硫(RDS)装置の定修を予定しており、重油の供給は引き締まる見通し。
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