LNG=8月31日~9月4日:北東アジア着相場が続伸、日韓企業の需要増加で
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は上昇した。商いの中心となる10月後半着の相場は4.50~4.60ドルと8月中旬に比べ40セント前後強含んだ。スポット需要が増加したことで市場のセンチメントが強気に振れた。これまでスポット購入を控えていた韓国ガス公社(KOGAS)の他、韓国中部電力(KOMIPO)やプリズムエナジーに加え、東北電力など猛暑の影響で電力需要の増加している日本の需要家も買いの動きを見せた。豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)の供給量がしばらく低い水準に留まるとの見方も相場の地合いを強める要因となった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
パキスタンLNG(PLL)が1日に締め切った9月22~23日にガスポート基地(年間受入能力500万トン)へ到着する1カーゴを対象とした買付け入札は、欧ガンボーとビトールの2社が応札した。ガンボーが提示したブレント原油価格の10.8888%が最安値。ビトールの応札価格は同12.3791%とガンボーの応札価格に比べ大幅高となったことから、今回の入札はガンボーによる落札が確実視された。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
DES欧州相場は強含んだ。商いの中心となる9月後半着は3.55~3.85ドルと8月中旬から80~90セント上昇した。ハリケーンの影響を受け米サビンパスプロジェクト(年産2,250万トン)など米国の複数プロジェクト出しの供給に遅れが発生していることから、期近なタイミングを中心に品薄感が強まった。またフランス向けに原子力発電所の代替としてスポット需要が増えると見込む関係者が散見された。フランスでは北部のショー(Chooz)原子力発電所の2号機(出力1,500万kW)が8月21日に、同1号機(同1,500万kW)が同24日にそれぞれ稼働を停止した。ショー原発で冷却用などに使用する水を取り込む川の水位が下がったことで運転できない状況となったようだ。