LNG=8月24~28日:北東アジア着相場が急落、ゴーゴンの供給不安が後退
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は急落した。豪ゴーゴンプロジェクトのメンテナンスが分散して実施されることが明らかになり、需給が引き締まる可能性が低いとの見方が強まった。同プロジェクト第2液化系列のメンテナンスはすでに2カ月ほど延長されているが、他のプロジェクト出しの売り物が潤沢に見られるため需給に大きな影響は出ていない。このため今後も1基ずつ停止する場合、需給への影響は軽微に留まるとの見方が有力だった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
各相場ともに下落。パキスタン向けに相次いで需要が浮上したものの、他の南アジアの需要家は様子見に退いていた。一方で売り物は潤沢に見られ、需給緩和感が強まった。パキスタンLNG(PLL)は、10月12~13日および同19~20日にガスポート基地(年間受入能力500万トン)へ到着する計2カーゴを対象とした買付け入札を開示した。その後、同基地向けとして9月22~23日着を対象に新たに入札を開示するなど、積極的に買いに動いた。同国では新型コロナの影響が残るものの、経済活動が回復しており天然ガスの需要は増勢だった。パキスタンの首都カラチでは気温の高い日が続いていることで電力需要も高い水準にあった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
米国では週前半メキシコ湾でのハリケーン、コーパスクリスティプロジェクトでのトラブルが懸念されたが、その後同国出しのLNG供給に及ぼす影響は軽微との見方が強まった。ハリケーン「ローラ」については、数カーゴの出荷が遅れるようだが、代替需要は市場に浮上していないと見られた。サビンパスプロジェクトで懸念された高潮の影響も想定内に留まったようだ。
コーパスクリスティプロジェクトでは一時出荷が停止されたが、すでに再開された。同プロジェクトがあるコーパスクリスティ湾の石油やLNGの生産設備が集まるコンビナートでは8月21日、掘削船が海底ガスパイプラインに接触してことにより爆発事故が発生した。爆発事故に伴いコンビナートが面する運河が5日間閉鎖されたため、LNGの出荷も一時的に制限されたものの、24日には閉鎖が解除された。