LNG=8月17~21日:北東アジア着相場が続伸、ゴーゴンの障害長期化で
DES北東アジアのスポット相場は上昇した。商いの中心となる10月前半着の相場は4.10~4.20ドルと8月上旬に比べ1.00ドル前後切り上がった。7月に熱交換器で障害が発生した豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)の供給量が回復せず、期近なタイミングを中心に供給余剰感が薄れている。ゴーゴンプロジェクトの設備修復にはしばらく時間がかかるとの見方が根強く、品薄感が台頭した。中国の独立系エネルギ-企業など一部が割高感からスポット購入を控え始めたが、日本や台湾の需要家からの引き合いが浮上したことから市場のセンチメントが強気に傾いた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 パキスタンLNGは5日締めの入札で、8月15~16日に同社が運営するガスポート基地(年間受入能力560万トン)へ到着する1カーゴを購入した。中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下のペトロチャイナインターナショナル(PCI)がブレント原油価格に対して9.3421%で応札しており、この水準で落札されたと見られる。ガスポート基地へは、カタールガス出しを積載した標準型「ステナブルースカイ」号(容量14万5,700立方メートル)が15日に入着し翌16日に荷揚げを終えた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 DES欧州相場は上向いた。商いの中心となる9月後半着相場は2.90~3.00ドルと8月上旬に比べ50セント前後上昇。蘭TTFや英NBPといった欧州の主要な天然ガス相場に対してプレミアムに推移した。欧州で猛暑が続いたことや風力発電の稼働が低い日が多かったことを背景に天然ガス相場が上昇し、LNG相場も連動して切り上がった。またスペイン向けのLNG需要が浮上したことも欧州着相場の上昇要因となった。欧州はほぼ全域がパイプライン網でつながっているが、スペイン、ポルトガルの位置するイベリア半島は、他国と接続されているパイプラインが比較的少ない。このためガス需要が増加した際には、LNGを購入することが多い。スペインでは、8月末まで気温が平年を上回る日が続くとの予報が出ており、しばらく冷房需要が旺盛な状況が続くとの見方が増えた。 |