LNG=8月10~14日:北東アジア着相場は上昇,需給の緩さが改善
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は上昇した。豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)の第2液化系列(同550万トン)の稼働停止が長期化するなか、日本の需要家に加え中国の独立系企業からの引き合いが増加傾向にあることから市場のセンチメントが強気に振れている。サハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)など多くのプロジェクトから売り物が出ているが、北東アジア着カーゴの需給は、7月末までの緩さが解消されつつある。日本企業は、9月後半着に関して3.70ドルより低い水準では売りが出づらいと指摘。10月前半と後半着相場も9月後半着と同様に上向いているとも伝えた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジアおよび中東の各相場は上昇した。インドやパキスタン向けの需要が増勢となっており市場のセンチメントが強気に傾いた。国営インド石油(IOC)は11日に締め切った入札で、ダヘジ基地に9月29日に到着する1カーゴを買い付けた。南アジアへ9月後半に到着するカーゴの相場は、IOCの落札価格と同程度の水準と評価された。
【FOB大西洋圏・DES欧州・南米】
FOB大西洋圏、DES欧州、南米の各相場は上昇。欧州ではLNGの売り物が減少すると見られる一方、これまでの高温で冷房需要が高まっていることを背景に需給逼迫感が台頭した。豪ゴーゴンプロジェクトでは第1液化系列と第3液化系列でもメンテナンスが実施される公算が大きくなっていた。これに伴い北東アジアに仕向けられるカーゴが増加し、欧州向けの売り物が減少すると見られていることが強材料視された。露ノバテックが7日に締め切った販売入札は、9~12月着4カーゴを対象に実施されたが、9月着1カーゴのみが落札された。