LNG=7月13~17日:北東アジア、需要は限定的
【DES北東アジア】
中国や韓国の大手独立系エネルギー企業など一部がスポット購入に動く一方、日本の電力会社、中国国営企業の多くは動きが鈍くスポット需要は総じて旺盛とは言えなかった。広東エナジーは、三菱商事傘下のダイアモンドガスインターナショナル(DGI)と短期契約を結んだ。広東エナジーが4年間、年間4カーゴを購入する。DGIは同社のポートフォリオからカーゴを供給する。価格は、北東アジア着のスポット市況に対してディスカウントになったようだ。広東エナジーは、中国海洋石油(CNOOC)から大鵬基地(年間受入能力670万トン)の基地使用権を定期的に借り受け2019年からLNGの輸入を始めている。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
中東ではアラブ首長国連邦(UAE)のADNOC LNGが販売入札を頻発するとともに、オマーンLNGが個別交渉をとおして8月27~28日着カーゴの販売を進めていた。半面、カタールガスは、余剰玉のスポット玉を極力控え英国のサウスフック基地など同社が使用権を持つ受入基地向けの転送に注力していた。ADNOC LNGは14日、8月10~20日にダス島プロジェクトで船積みする1カーゴを対象にDESベースの販売入札を締め切った。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
DES欧州相場は一時期、米国出しの出荷減少が意識されて強含んだものの、欧州北西部でTTFに対して30セント前後のディスカウント、トルコなど割高な地域でも同フラットまで弱含んだ。欧州では天然ガスの地下貯蔵施設の在庫が非常に高くなっていた。在庫がフルにはなっていないものの、スポットベースでLNGを追加購入することは難しい状況だった。冬の最需要期まではスポット玉の引き取りは難しいプレーヤーが多いと見られた。欧州ではパイプラインガスも順調に供給されており、再気化コストを考えると、LNGをTTFに対してプレミアムで購入するプレーヤーは見られない状況だった。