アジア石油製品=7月13~17日: 北東アジア0.001%S軽油市況、需要減で下落
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は底値感の台頭を受けて上昇した。中国海洋石油(CNOOC)は14日、入札を通して8月8~9日華南積みの92RONガソリンMR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し30セントのディスカウントと伝えられた。大連西太平洋石油化工(WEPEC)も、入札を通して8月9~11日大連積みの92RONガソリンMR船型をFOBベースで同市況対比75セント前後のディスカウントで販売している。設備方面では、台湾フォルモサ石油化工(FPCC)の麦寮製油所(日量54万バレル)で15日、残油脱硫装置(日量8万バレル)で火災事故が発生した。同設備は年内に再稼働が厳しいようだ。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国のYNCCが8月後半着ナフサを日本市況に対し12.5ドルのプレミアムで購入していたもよう。アジアの石油会社によると、「日本着ナフサ相場は10ドル台前半のプレミアムへと下落している」という。背景にはエチレンクラックマージンの縮小や液化石油ガス(LPG)価格安などによるナフサ需要の後退があるようだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。需給緩和観測を反映した。市場関係者によると、8月韓国積み0.001%S軽油が、東南アジア向けとしてFOBベースで同市況に対し30セント程度のプレミアムで成約されたもよう。アジア圏での新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に、需要減退が意識された。他の韓国石油会社からも「買唱えは、同市況に対しフラット止まり」といった声が出ている。ただ、石油会社各社は軽油の生産量を落としているためスポット玉の供給量は少なく、同水準まで売り応じる動きは見られなかった。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し55.00~65.00ドルのプレミアムともち合い。韓国のSKエナジーは、残渣油脱硫(VRDS)装置の定修明け稼働を再開しており、同社は製油所稼働率を80%強へと引き上げることを検討しているようだ。これに伴い、0.5%S重油の供給も増加する見通し。また、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は麦寮製油所の第2水素化脱硫(RDS)装置で15日に火災が発生し、事故原因調査のため同装置の稼働を停止している。
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