LNG=7月6~10日:北東アジア着相場は小動き、様子見機運が強まる
DES北東アジアのスポット相場は小動きとなった。商いの中心となる8月後半着の相場は2.10~2.20ドルと6月下旬に比べ5セントの軟化に留まった。韓国および中国の独立系企業から散発的に引き合いが浮上するものの、今後の相場動向に不透明感が強まったこともあり買い手の動意は総じて低調となった。欧系トレーダーを始め一部ポートフォリオプレーヤが長期契約者向けの買付けに興味を示しているが新たな成約は聞かれなかった。一方、売り手も様子見機運を強めた。露サハリンエナジーが8月18日にサハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)で船積みする1カーゴの販売入札を開示したものの、ポートフォリオプレーヤーの多くは積極的な売り込みを控えた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 パキスタンLNG(PLNG)は、ガスポート基地(年間受入能力560万トン)向けの買付けに動いた。7月27日締めで8月27~28日着、8月4日締めで9月12~113および同25~26日着各1カーゴを対象とした買い付け入札を開示した。夏場を迎え日中の気温が35度を上回り始めていることからLNGを使用する火力発電所向けの需要が増えているとみられる。パキスタンでは電源構成のうちガス火力発電の占める割合が25%程度であるが、このところ石炭火力の割合が増えているとの見方が強まっていた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 米フリーポートプロジェクト(年産1,320万トン)で5月上旬に第3液化系列(同440万トン)の稼働が始まった。同系列からは仏トタルと韓国のSK E&Sがそれぞれ年間220万トンを引き取っている。このうちSK E&Sは、5月および6月にそれぞれ2カーゴを引き取り、主に韓国で同社が運営する保寧基地(年間受入能力300万トン)へ仕向けたとみられる。 |
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