アジア石油製品=7月6~10日: 北東アジアジェット市況、需要後退で弱含み観測
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場が強含んだ。買い気の強さが相場を押し上げた。夏場の需要期に差し掛かり、トレーダー筋がカーゴの調達意欲を強めている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は8日、入札を通して8月4~8日積みの93RONガソリンMR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.20ドルのプレミアムと伝えられた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、三井化学がフルレンジナフサおよびライトナフサの調達に動いているもよう。ほかにも日本需要家1社および韓国勢も8月後半着オープンスペック・ナフサの購入に動いているようだ。トレーダー筋によると、「10日のシンガポール総選挙によって市場の動きが緩慢になることから、事前の駆け込み買いの動きが増えている」という。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は同水準で推移した。様子見ムードが続いており、明確な売買唱えが浮上しない。市場関係者によると、韓国のGSカルテックスは、8月積みMR船型1カーゴの販売入札を実施。結果は明らかではない。アジア域内ではこのところ、中国や香港の需要が後退。今後、アービトラージの開いている米国西海岸向けの引き合いがなければ、北東アジア市況は弱含むとの見方も伝えられている。
重油 【北東アジア低硫黄重油】 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し55.00~65.00ドルのプレミアムと5.00ドル高。さらなる供給引き締まりを受けた。既報のとおり、SKエナジーは残渣油脱硫装置(VRDS)の定修明け期を迎えたものの、精製マージンが芳しくなく、常圧蒸留装置(CDU)の稼働を引き下げている。再び製油所の減産基調がみえ始め、供給薄となっている。
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