電力=7月6~10日:小幅高、記録的大雨で太陽光低下
卸電力市場は、小幅高。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(7月6~10日受渡)の平均でみると、前の週(6月29日~7月3日受渡)と比べ東日本が1kWh当たり(以下同)0.58円高(11.7%上昇)の5.53円、西日本が0.40円高(8.8%上昇)の4.95円だった。低気圧の発達を受け九州など西日本を中心に記録的な大雨となった。太陽光発電からの供給が一段と低下し、需給が締まりやすくなったと考えられる。東日本では太陽光発電以外の供給も絞り気味となったもよう。東日本と西日本の中心値の格差は0.58円と、前の週の0.40円から若干広がった。
九州など西日本を中心に記録的な大雨に見舞われた。梅雨空でも晴れ間のみえる時間帯も比較的あった前の週と比べ、太陽光発電からの供給が減りやすくなったとみられる。大雨のあった地域では、水力発電の稼働が低下しやすくなった面もある。一方で、大雨の被害で、各地の工場などの稼働が中断した場面もあった。経済活動の鈍化で需要が伸び悩み、価格に対する上昇圧力を和らげたもよう。他方、東日本では、昼間だけでなく夜間価格も堅調だった。太陽光以外の設備からの供給量が減じた可能性がある。
日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場では、最大市場の東京エリアの平日平均が5.55円と、前の週より0.62円上昇した。気候条件の違いや本州との連系線の制約により独自の動きになりやすい北海道エリアは、同0.14円高の5.43円。両域間の価格差は、東京高・北海道安の0.12円。これに対し、前の週は東京安・北海道高の0.36円だった。北海道の中心都市である札幌は前週、比較的日差しに恵まれ、東京エリアと異なり、太陽光設備が発電しやすい条件だった。東北エリアの平日平均は5.50円と東京より0.05円安かった。前の週は、東京エリアと同水準の4.93円。 西日本で最も大きな市場である関西エリアの平日平均は4.95円と、前の週と比べ0.38円の値上がり。価格が他地域と比べ下振れすることの多い九州エリアは、同0.51円高の4.95円と、関西エリアと並んだ。前の週の両域間の価格差は関西高・九州安の0.13円。前の週は同水準で価格差がなかった。東日本の3エリアでは、夜間平均が強含んだが、関西と九州の夜間は、小幅ながら値下がりした。大雨による需要減が、太陽光発電の影響を受けにくい夜間価格に表れた可能性がありそう。
JEPXのスポット取引(1日前市場)は22日受渡から26日受渡で、システムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.54円高(11.6%上昇)の5.20円だった。同期間の1日平均の約定量は約9億1,200万kWhと、前の週より2,000万kWhの減少。
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