アジア石油製品=5月25~29日:7月積み軽油市況が上昇、供給引き締まりで
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。6月積みの商談が続いている。大連西太平洋石油化工(WEPEC)が今週、6月10~12日積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.65ドルのディスカウントと伝えられた。期近積みカーゴのため、割安な価格で取引されたと見られる。また、中国海洋石油(CNOOC)は28日、6月29~30日華南積みの92RONガソリンMR船型の販売入札を締め切った。一方、東南アジアなどからは新たなスポットの買いは確認されていない。
ナフサ アジアでは、一時高騰していた海上運賃が大幅に下落している。一方、欧米ではガソリン需要が回復しつつあり、基材となるナフサの需要も強含んでいるという。同地域からアジア向けの7月着アービトラージ玉の数量は6月から減少する見通し。北東アジアの市場関係者は、域内の7月前半着カーゴの市況がやや上向くとみている。供給引き締まりが続く一方、韓国のYNCCが3カーゴ購入するなど、需要が底堅く推移しているためだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は大幅に上昇した。供給の引き締まりが、相場を押し上げた。製油所の定修や減産などを背景に、市場ではスポットの供給が限られ、売り手市場の雰囲気が強まっている。シンガポール市場でも、売りが乏しく、市況連動相場は続伸している。一方、豪州の需要が幾分増えている。この中、7月韓国積みの0.001%S軽油MR船型が、FOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し25セントのディスカウントで成約されたとの情報が寄せられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し横ばい。韓国では、製油所の低稼働によって供給が減少しているものの、依然として需要も弱く相場はもち合っている。このところの原油相場の反発によって、重油クラックマージンは悪化。市場関係者によると、製油所の定修を実施しているSKエナジーの製油所稼働率は60%台後半に落ち込んでいるようだ。他の韓国石油会社の製油所稼働率も70%台前半で推移しているもよう。韓国の市場関係者によると、「現在の市況の弱さは、少なくとも7~8月ごろまで続く」とみられている。
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