アジア石油製品=3月30日~4月3日:92RONガソリンは軟化、東南アジア需要不振で
ガソリン 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化した。シンガポール市況の値下がりを映した。インドネシアなどの東南アジアの需要が振るわす、シンガポール市場では92RONガソリンの市況連動相場が急落している。買いが乏しい中、韓国石油1社は依然として4月積みのスポット販売を進めている。同社はシンガポール向けに92RONガソリンをFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し3.50ドルのディスカウントで販売を狙っている。いまのところ、成約の情報は寄せられていない。
ナフサ アジア市場では、大幅なナフサ安を背景に、「ナフサに対するエチレンやポリエチレンのマージンが改善しており、一定のナフサ需要はみられるだろう」(北東アジア石化メーカー)との声が聞かれる。アジアのナフサクラッカー稼働についても、「引き上げる動きがみられるのではないか」(同)との見方が寄せられた。また、ロシアや欧州などから、余剰玉をアジア向けに販売しようとの動きがみられるようだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。需要が振るわず相場は下落を続けている。新型肺炎の感染拡大を背景に、需要が低迷しているため、トレーダー筋の調達意欲が弱まっている。その中、売り手は販売価格を引き下げている様子だ。4月末日本積みの0.001%S 軽油MR船型が、FOBベースでシンガポール市況 (0.001%S)に対し1.70ドルのディスカウントで成約されたとの情報が寄せられた。5月積みについては取引が聞かれないものの、一部の売り手は同水準で韓国積みの相場を見ている。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。需給悪化を受けた。韓国では、Sオイルが3月および4月積み0.5%S重油カーゴ各9万トンを販売したと伝えられた。価格はシンガポール市況(0.001%軽油)に対し90ドルのディスカウントとの情報がある。韓国石油会社は、「成約水準から判断すると、韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し30ドル程度のプレミアム水準」とみている。韓国や日本の複数の製油所は10~30%程度稼働を引き下げ、石油製品の供給を減らしている。ただ、0.5%S重油のクラックマージンはプラス水準を維持していることから、韓国石油各社はこの油種の得率を増やしている。このため供給余剰感が解消していないようだ。
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