LNG=3月16~20日:北東アジア着相場、需給引き締まりで強含み
【DES北東アジア】
DES北東アジア相場は強含んだ。4月~5月前半着の売り物が少なくなっていた。一方で複数のプレーヤーが5月着の買いを検討しており、期近物を中心に需給が引き締まった。韓国の需要家が5月着に買い気を見せていた、日本の電力会社も買付けを検討していた。九州電力が16日、川内原発1号機(出力89万kW)の稼働を停止した。テロ対策施設の建設が、期限の17日までに間に合わなかったことによるもの。ただ九電は、太陽光発電の稼働が高いためLNGを追加購入する必要ないとの見方が有力だった。関西電力の舞鶴石炭火力発電所(2基、出力計180万kW)で不具合が発生したようだ。同発電所は、2~3週間稼働を停止すると見込まれている。ただ不需要期で電力の需給が緩んでおり、LNGなど他の燃料による火力発電所の稼働を大幅に引き上げなくても電力需要が満たせると見られていた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジアおよび中東相場はいずれも上伸した。インドでは、モンスーン期入りを前に南部のムンバイとともに、北部ニューデリーの日中の気温が30度台半ばに達するなど気温が上昇しており、発電所向けの需要が伸びていた。インド国営ガス公社(GAIL)が12日に締め切った販売および買付け入札で、価格は不明ながら8月と9月のそれぞれ1カーゴを売買した。今回の入札でGAILは、米コーブポイントプロジェクト(年産1,130万トン)で5月、8月、9月に船積みする各1カーゴを売りに出す一方、ダホール基地(年間受入能力500万トン)を中心とした西インドへ5月、8月、9月に到着する各1カーゴの買いに動いていた。この他GSPCは11日締め切った入札で、価格は不明ながら6月、8月と11月着各1カーゴを購入した。この入札では、4月から2021年3月の間にインドへ到着する計11カーゴを対象に入札を実施していた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
トルコ国営ボタシュは、11日締め切りで実施した4月着6カーゴを対象とした入札で数カーゴを購入したと見られていた。落札者の詳細は現時点で不明ながら、落札した数カーゴはいずれも蘭TTFに対して10セント前後のディスカウントだったようだ。一方でボタシュは5月着の購入に乗り出した。4カーゴを対象とした買付け入札を19日に締め切った。トルコでは隣接するイランからパイプラインによる天然ガスの購入続けているが、今年に入りその数量を僅かながら絞っているとの見方が強まっていた。ボタシュはこの減少分を、LNGでカバーする方針を取っている可能性が指摘されていた。