電力=2月10~14日:東西ともに軟化、季節外れの高温に伴う需要減で
2月10~14日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに下落した。引き続き、暖冬の影響で暖房需要が一段と減少したことによる。特に週後半には、九州から関東の最高気温が17度~18度の地域が多くなるなど4月上旬並に達し、14日には1日の最大需要が東京エリアで4,000万kWを大きく割り込んだほか、関西エリアでも2,000万kW割れとなるなど、価格の下押し要因となった。
暖冬に伴い需要の鈍化傾向が続いているため、引き続き太陽光発電の影響度が大きくなった。特に西日本では、太陽光の増減により日中時間帯(8時~16時)の平均価格で2円以上のブレが見られた。春や秋など不需要期に見られる特徴であり、足元の異常気象が価格にも表れる格好となった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は8.92円、東北は7.87円、東京は7.88円、中部から四国の5エリアは7.02円、九州は6.19円だった。曜日を合わせた前年(2月11日~2月15日)の平均価格は、北海道が15.44円、東北と東京が12.11円、西日本6エリアが7.77円だった。東日本の価格は、暖冬の影響を強く受けていることが見て取れる。
JEPXの先渡市場では、10日に2件の約定があった。東京エリアの20年4月1日から21年3月31日受渡の年間24時間型で、価格は9.71円、数量は1MWだった。また、東京エリアの月間受渡の昼間型(平日8時~18時受渡)で、20年7月1日~31日受渡分の価格が13.86円、数量は3MWだった。市場関係者からは、「7月月間の昼間型の13.86円は割高感が強い。20年度の年間渡しの9.71円も若干高い印象で、9.50~9.60円が妥当な水準かと思う」(新電力の需給担当者)との見方が聞かれた。
東京商品取引所の電力先物市場では、日中取引(8時45分~15時15分)および夜間取引(16時30分~19時)、立会外取引のいずれも約定がなかった。東エリアでは、ベースロードおよび日中ロードともに一定のオファーが入ったものの、ビッドがほぼ入らず、西エリアではオファーおよびビッドともに入らない日が続いた。
2月17日の週は、週明け早々に九州エリアで降雪予報が出るなど西日本で寒さが急速に強まる見通しが出ており、価格動向にも波及しそう。一方、東日本は引き続高めの予報であり、東西価格差は急速に縮小すると見られる。ただ、週後半には再び全国的に高めの気温が予想され、価格は右肩下がりで推移する見込み。 |
受渡日 |
10日 |
11日 |
12日 |
13日 |
14日 |
システム |
8.57 |
7.05 |
7.37 |
6.67 |
6.56 |
約定量 |
903,922 |
816,930 |
939,874 |
876,431 |
910,280 |
注:単位は円/kWh |
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