石油化学=2月10~14日:オレフィン軟調続く、新型肺炎の影響色濃く
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は堅調に推移した。米国ベンゼン相場の上昇を受けた。米国のベンゼン相場は、エクソンモービルのバトンルージュ製油所で発生した火災事故による供給懸念から急騰している。一方、パラキシレン(PX)相場は狭いレンジでの推移が続いた。原料コストの指標となる原油相場が直近の安値から上昇した一方で、新型肺炎による影響で川下需要が後退するとの見方が重しとなった。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は下落。新型肺炎による影響から中国需要家は新規の買付けを手控えている。一方で、一部の石化メーカーは2月の稼働を1月から引き上げていたこともあり、需給に緩和感が生じた。このなか、週前半までに3月着が740~770ドルで成約されたと伝えられた。週後半には韓国の石化メーカーが需要後退やオレフィン相場下落を受け、ナフサクラッカーの減産を開始しているとの情報も寄せられた。
アジアのプロピレン市場は、いずれも弱含んだ。
北東アジア市場では、引き続き新型肺炎による影響が長引いているなか、中国からの需要が後退し、相場が押し下げられた。中国で多くのプロピレンおよび誘導品設備の稼働率が低下しており、需給緩和感が強い。こうした状況下、プロピレンのタンクスペースに余裕がなく、輸入品に対する買い気が乏しい。
韓国積みおよび東南アジア着は北東アジア着に連動する格好となった。
アジアのブタジエン相場は、いずれも弱含んだ。
北東アジア市場では、新型肺炎により中国の複数の誘導品設備が稼働停止または減産しているなか、ブタジエンの供給に余剰が生じている。こうした状況下、相場が軟調となった。
東南アジア市場では、タイPTTGCが3月積みの販売入札を実施した。