LNG=2月10~14日:アジア各地で相場が下落、新型肺炎の拡大で需要減
DES北東アジアのスポット相場は急落した。商いの中心となる3月後半着は2.55~2.85ドルと1月末の水準に比べ1.15ドル安となった。需給の緩さが顕著となった。新型肺炎の感染拡大の影響から中国向けの需要が急減する一方、ブルネイLNG、サハリンエナジー、ドンギーセノロなど極めて多くの生産者が販売入札を開示した。中国とシンガポールの沖には、販売先が決まっていないカーゴを積載した複数の船舶が停泊するなど供給は極めて潤沢となった。反面、韓国や日本の一部需要家が安値拾いの買いを検討しているが、先安感が払拭されないことから、買付けを先送りにした。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 露ノバテックは、13日締め切りでヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)において4月5日から12月31日までに船積みする計9カーゴを対象に販売入札を開示した。ヤマルプロジェクトでは第4液化系列(年産90万トン)の建設が進められており、2020年前半にも生産を開始すると見られるなど生産量の増加が著しい。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 アラブ首長国連邦(UAE)のLNG需要は今後、頭打ちになるとの見方が寄せられた。UAEのアブダビ首長国で近く原子力発電所の稼働が始まるためだ。アブダビではバラカ原子力発電所(出力4基計560万kW)の第1号機(同560万kW)が早ければ2月末までにも稼働を開始する見込み。第1号機の稼働開始については既に、UAEの連邦原子力規制庁(FANR)が承認しており、2月入り後に運転開始に向けた各種テストが終了した。他の3基も今後順次運転を始めると見られ、4基全てが稼働した場合、UAEの電力需要のおよそ25%を満たせる規模と伝えられた。
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