電力=2月3~7日:東が軟化、東京の低需要と太陽光潤沢で
卸電力市場は東日本で軟化し、西日本が堅調だった。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(2月3~7日)の平均でみると、前の週と比べ東日本が1kWh当たり(以下同)0.45円安(5.0%低下)の8.56円、西日本が0.94円高(13.3%上昇)の8.01円だった。広い地域で週後半の6日と7日の予想気温が平年並みに下がったが、前半では高い水準が続いた。東日本は、特に東京エリアでの低需要と比較的潤沢な太陽光発電により、価格が下押しされたもよう。九州を除く西日本は、前の週のような極端な気温の上振れがなくなり、暖房需要の回復が価格を押し上げた可能性が高い。東日本と西日本の中心値の格差は0.55円と、前の週の1.94円から縮小した。
日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場では、東日本の最大市場である東京エリアの平日平均が前の週と比べ0.29円安8.43円。東京の予想最高気温(前日発表)は、3日と5日が14度、4日が12度と、平年を2~4度上回る水準。加えて、東京は週を通じて日照に恵まれた。予想最高気温は、6日と7日にそれぞれ7度へと落ち込んだものの、週全体としては、需要低迷と潤沢な太陽光発電により、価格に対する下押し圧力が強まったとみられる。北海道の中心都市である札幌は、6日の予想最低気温がマイナス11度と平年より3.8度低い水準に落ち込むなど、寒気が強まったが、平均価格は10.08円と、2.31円下がった。一因として本州からの余剰電力の供給が下押し圧力となった可能性が高い。北海道エリアと東京の価格差は1.66円と、前の週の3.68円から大幅に縮小した。 西日本の最大市場である関西エリアの平日平均は、前の週と比べ1.07円高の8.19円。関西の大都市である大阪の予想最低気温は、週を通じて4度以下で推移した。28日と29日で予想最低気温が10度とされた前の週のような極端な上振れが無くなり、暖房需要が回復したとみられる。価格が他地域と比べ下振れすることの多い九州エリアは、同0.49円高の7.34円と、関西に比べ上値が重かった。九州の福岡では、気温が比較的高めに貼り付き、天気も3日から5日は日照に恵まれた。5日受渡と6日受渡では一部のコマで約定価格が0.01円を付けるほど需給が緩んだ。関西と九州のエリア間の価格差は0.85円と、前の週の0.27円から広がった。
日本卸電力取引所(JEPX)のスポット取引(1日前市場)では、2月3日から7日受渡のシステムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.32円高(4.1%上昇)の8.17円だった。同期間の1日平均の約定量は約9億2,300万kWだった(前の週9億3,100万kW)。
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