欧州委=水素プロジェクト向け補助金、対象7件を選定・7.2億ユーロ
欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会は4月30日、再生可能エネルギーによる水素製造を支援するため、7件のプロジェクトを補助対象として選定した。水素生産の支援策である「欧州水素銀行」を通じた入札形式による第1回の募集で、補助総額は約7億2,000万ユーロ。応募総数は132件だった。落札した7件のプロジェクトにより、10年間で158万トンの水素を生産し、1,000万トン以上の二酸化炭素(CO2)を削減する見込み。 落札者の入札価格は、水素1キログラムあたり0.37~0.48ユーロだった。 落札者は、現状では割高な再エネで水素を生産する一方、化石燃料で生産する割安な水素との価格差を埋めるため補助金を受ける。それぞれの落札者が受ける補助金は、最少で800万ユーロ、最大が2億4,500万ユーロ。欧州委は補助金の財源に、EU排出量取引制度の排出枠入札で得る収益を充てる。再エネで生産する水素は、鉄鋼、化学、海運、肥料などといった排出削減が困難とされる産業分野で活用される予定。
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