4社=アンモニア燃料輸送船の建造を契約、2026年11月に引渡へ
日本郵船とジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)、IHI原動機、日本シップヤードは昨年12月、アンモニア燃料船の建造に関する契約を締結した。25日の発表によると、新建造の船種は4万立法メートル型のアンモニア輸送船。2026年の完成と引渡を目指す。J-ENGが船体推進用のプロペラを回すエンジン(主機)、IHIが船内の発電機を駆動するエンジン(補機)をそれぞれ製造する。使用する燃料はアンモニアと重油。目標のアンモニア混焼率は、主機が最大95%、補機が80%以上。新造船全体で80%以上の温室効果ガスの削減率を目指す。今後、主機と補機の製造、船体建造に向けた詳細な検討、実際の運航に向けた運航マニュアルの整備などを進める。 4社はこれまで協力機関である日本海事協会を加えた5者で共同事業体を組み、国産エンジンを搭載したアンモニア燃料船舶の開発を進めてきた。郵船は2022年9月、海事協会から設計の初期段階で技術的な実現可能性を確認する「基本設計承認(AiP)」を取得。2023年5月にはIHI原動機が補機として使用予定のエンジンの実機で、世界で初めて重油との混焼率80%での燃料アンモニアの安定燃焼に成功。亜酸化窒素(N2O)や未燃アンモニアの排出がほぼゼロとなることや、運転中と停止後に実機からアンモニアが漏洩しないことを確認した。J-ENGは同月、主機用エンジンでの混焼運転を開始し、性能の最適化と安全性の検証を実施中という。
(アンモニア輸送用のアンモニア燃料船・イメージ) イメージの出所: 日本郵船、ジャパンエンジンコーポレーション、IHI原動機 日本シップヤード、日本海事協会 発表資料
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