シンガポール=SIBCON閉幕、燃料多様化社会の実現可能性を討議
第23回シンガポール・インターナショナル・バンカリング・カンファレンス(SIBCON)の本会議が閉幕した。会期中、海運業界の脱炭素化について討議。シンガポール港では2025年4月から電子バンカーデリバリーノート(e-BDNs)の使用を義務づける。
また、2050年に向けた「IMO GHG削減戦略」の改定に伴い、国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出削減目標を同年ごろまでに実質ゼロとする。これに向けてシンガポール港では、既存燃料の使用とカーボンキャプチャー(CCS)の組み合わせのほか、LNG、バイオ燃料、メタノール、アンモニアを含むバンカー油を使用する「燃料多様化」の実現を目指す。この一環として、アンモニアの燃料補給ガイドライン、メタノールの燃料補給ガイドライン、およびアンモニアの緊急対応ガイドなどが共有された。
一方、LNGバンカーをはじめとした代替燃料への切り替えについては、コスト増や安定供給といった課題も多く、参加者からは、「需要と供給のどちらを先に増やすべきか」といった声が聞かれた。加えて、中長期的な対策が採択されるまでは、代替燃料の需要を想定するのは困難との指摘もあった。中長期的な対策については、2025年以降に開催する第83回海洋環境保護委員会(MEPC83)で、燃料のGHG強度を段階的に削減するための手法、課金方法などを採択する予定。
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