ベトナム=LSPがクラッカー原料にエタン活用へ
ベトナムのロンソン石油化学(LSP)はエチレン設備の原料多様化のため、エタン活用に向けた改造工事を行う。LSPの全株式を保有するSCGが明らかにした。現在、LSPのエチレン設備はナフサおよびプロパンを原料として利用しているが、これにエタンが加わる。既存のガスクラッカーについて、エタンを投入できるようにする。米国から輸入したエタンの利用を想定し、既存の原料価格に比べ1トンあたり200~400ドル程度のコスト低減効果があると見積もる。桟橋やタンク設置のための土地は保有しており、新規投資はタンクおよびタンク利用のための設備に関する投資が中心になる。またエタンは米国の天然ガス価格に連動するため、原油相場に連動しやすいナフサより原料コストの安定性が高い点も利点に挙げる。
SCGは世界のエチレン生産能力について、2019~2024年に5,500万トンが増加したのに対し、2025~2030年は5,100万トンが増加すると見込む。いずれも中国での能力増強が過半を占め、SCGは市場の不安定な状態が続くと警戒している。これに伴い、エチレン設備の低稼働状態は常態化すると想定しており、より安価な原料を活用することでコスト競争力を高めたい考えだ。
LSPのエチレン設備は9月中に性能実証運転を終え、10月以降の商業運転への移行を目指している。
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