ロッテルダム港湾公社によると、2024年1~3月期の同港でのバンカー油販売量が、バイオバンカーなどを除くと215万5,877トンと前年同期から45万2,482トン減少した一方、前期比8万7,259トン増加した。バイオ燃料の販売量は、26万2,634トンとなり、前年同期比11万3,428トン、前期比2万9,526トンそれぞれ増加した。バイオ燃料の販売数量は、全体の10%に上る。
油種別では、HSFOは81万8,028トンと前年同期から8,157トン、前期比17万4,810トンそれぞれ増加した。また、バイオ混合分最大30%のHSFO(B30-HSFO)は4万2,761トンと前年同期から3万2,135トン、前期比3万3,056トンそれぞれ増加した。
硫黄分0.5%S以下のVLSFOは68万782トンと前年同期比30万3,252トン、前期比791トンそれぞれ減少した。バイオ混合分最大30%のVLSFO(B30-VLSFO)は17万4,301トンと前年同期比4万8,319トン増加した一方、前期比1万1,008トン減少した。
2023年12月末以降、紅海/スエズ運河での地政学的リスクの高まりを受け、アジアと欧州間の往来に南アフリカの喜望峰を経由して運航する船舶が増加。またスクラバー搭載船の寄港が増加し、VLSFOよりも割安なHSFOの調達が増えたもよう。市場関係者によると、コンテナ船や自動車船では、減速航海を避けていたことも調達量の増加に繋がったという。さらに、炭素課金制度であるEU排出量取引制度(EU-ETS)が2024年1月から、海運業界にも適用され、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目的に(2025年までCO2のみ)、バイオバンカー需要が強まった。
LNGバンカーは急増し、トン計算で9万6,861トンと前年同期比5万8,122トン、前期比2万9,841トンいずれも上昇した。LNG価格の値ごろ感の高まりから、多くのLNG燃料船がLNGを調達したため、LNGバンカーの販売数量は増加した。パイプラインを通じたロシア産天然ガスの輸入に代わり、カタールといった中東や米国からLNGを輸入していたこともLNG運搬船の寄港増加ならびにLNGバンカー売り上げの堅調さの要因となった。
市場関係者によると、欧州航路はGHG排出量のモニタリングといった環境規制が強化されており、割高な運賃で貸し出せる船舶については、バイオやLNGバンカーを調達する傾向はますます増えると指摘した。
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