シンガポール=8月のバンカー重油販売量、前年同月比13.6%増の416万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、8月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が416万8,900トン(速報値)だったと発表した。前年同月比で13.6%(50万トン)、前月比では0.3%(1万1,200トン)それぞれ増加した。
高硫黄380cst重油は97万1,700トンと前年同月比174万100トン減少したものの、前月比では43万4,000トン増加した。
硫黄分0.5%・180cstは1万1,900トンと前年同月比3万トン、前月比600トンそれぞれ減少した。硫黄分0.5%・380cstは222万8,100トンと前年同月比219万2,400トン増加したが、前月比では4万8,100トン減少した。また、硫黄分0.1%のLSMGOは27万3,200トンと、前年同月比5万4,700トン、前月比では2万7,500トンそれぞれ増加した。
前月比で軒並み数量が増加した背景には、香港で新型コロナの感染防止対策の一環として、7月29日から荷役を伴わない船員の新規交代が禁止されたことがある。バンカー燃料油を供給する船員も隔離対象で、事実上、香港でのタッチバンカーができなくなった。これを受け、買い手は、シンガポール、中国の舟山や台湾の高雄といった港で、バンカー油購入を振り替えた。8月中旬以降、悪天候等に見舞われた北東アジアの需要をシンガポールが取り込んだことも販売数量の増加につながった。
リム情報開発の調べでは、同港の8月の平均VLSFO価格は341.74ドルと、前月の334.89ドルから6.85ドル上昇した。