欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、旺盛なヘッジ需要を追い風に、取引拡大ペースが一段と加速している。8月の月間約定量は7,000GWhと前月を15.9%増加。今年2月の6,684GWhを超え、月間ベースの過去最多を塗り替えた。秋口の火力発電所の定期点検シーズンを前に、供給減による価格上昇への警戒から、9月や10月を中心とした月間物の取引が活発化。さらに月末には、台風10号の接近で発電所の操業停止や出力低下が相次いだため、西日本を中心に週間物の約定が急増。8月28~30日の3日間で約定された第36週(9月2~8日)の関西ベースロードは合計507MWに達した。
1~8月の累計約定量も4万1,988GWhに膨らみ、2023年通年の約定量である1万8,299GWhに対する進捗率は229%となった。足元のペースで取引拡大が続けば、年間の約定量は2023年の4倍に到達しそうだ。このほか、8月の約定件数は1,431件、約定ロット数は10,804MWと、いずれも月間ベースの最多記録を更新した。
|