新春特集=国内ガソリン相場、福岡市況から全国をみる
2020年は転換期でもあった。新型コロナウイルスの感染拡大は人々の移動に大きな影を落とし、外出自粛の動きが全国的に広まった。スポット市場ではジャパンオイルネットワーク(以下JONET)が商社へのタンク貸与契約を2020年度で終了すると通知した。また、12月には政府が2030年代までにガソリンエンジン車の販売を禁止する見込みであると伝えられている。
2020年のガソリンスポット価格と小売価格の変遷について、福岡市況を例にした。小売価格は資源エネルギー庁が毎週水曜日に発表している「給油所小売価格調査」を参照したい。福岡県の小売価格は1月に150円台前半で推移していたものの徐々に下落。特に4月後半~5月
にかけて120円台に切り下がっている。原油急落や外出自粛による需要減が響いた。
8月以降は130円台まで回復したが、さらに140円台、150円台まで底上げが進む市況環境にはなかった。外出自粛が続く中、マージンを切り詰めて売りに応じる小売り業者が多かった。特にプライベートブランド(PB)の業者を中心に販売鈍化からやむなく価格を引き下げる動きもみられた。
卸業者間のスポット価格は年初、110円台後半でやり取りされていたが、その後は下振れ。新型コロナの感染拡大で需要低迷や原油の急落を受け、4月後半~5月はスポット価格も大きく軟化し、80円台まで突入した。6月以降は底打ちし、総じて上昇傾向にある。
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