EEX日本=電力取引の手数料無料化を21年4月末まで延長
ドイツに拠点を置き、日本の電力先物取引の清算業務(クリアリング)を行う欧州エネルギー取引所(EEX)は、取引手数料の無料期間を2021年4月末まで延長する。本来は取引登録手数料としてkWhあたり0.002円(MWhあたり2.00円)、清算手数料としてkWhあたり0.001円(MWhあたり1.00円)がかかるが、取引活性化と流動性向上を狙って10月末までこれらの手数料を無料としていた。EEXは日本の電力市場の成長ポテンシャルを重要視しており、今後も国内外のプレーヤーによる新規取引参入を促すため、手数料の無料期間をさらに6カ月間延長することを決めた。今回の無料期間延長に伴い、EEXは「Building Market Together」とのキャッチコピーを掲げ、市場参加者全体で日本の電力市場を盛り上げていこう、と強くアピールしていく考えだ。
EEXは、今年5月18日に日本の電力取引プラットフォームを立ち上げ、清算業務を開始。東京と関西の2エリアでベースロードとピークロードを対象に、商品はWeek(週間受渡)、Month(月間受渡)、Quarter(四半期受渡)、Season(夏季「4月~9月」受渡と冬季「10月~3月」受渡)、Year(年間受渡)の5商品をそろえる。5月の取引開始から10月までの約定実績は328GWhに達し、このうち10月単月だけで111.5GWhを記録。日本以外に、海外9カ国の事業者が取引に参入しており、これまで14社が取引を行った。取引参加者は、年内中にさらに2~3社増える予定。7月に、EEXの上席担当アドバイザー日本担当に就任した高井裕之氏は「日本の電力市場は20兆円規模の巨大市場だが、デリバティブの市場規模はその10倍の200兆円に拡大するポテンシャルがある」とし、その市場拡大にさらに注力していく構え。