24日 原油は上昇、中東情勢の悪化と中米の熱帯性低気圧で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(11月限)は70.77ドル/バレルとなり、前日終値と比べ40セント高、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は74.27ドル/バレルとなり、同37セント上昇している。 24日アジア時間午前の原油相場は堅調。中東情勢の悪化やカリブ海周辺で発生した熱帯性低気圧が強材料視されている。イスラエルは23日、隣国レバノンの南部を攻撃。現時点で500人近くが死亡したとみられ、同国を拠点とするヒズボラは報復を示唆している。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、中東情勢の悪化により石油やガスの供給に支障が出るとの懸念が高まった。 一方、カリブ海周辺で発生した熱帯性低気圧は今後、発達しながら米メキシコ湾岸の東部に向けて北上していく見通しという。野神氏によると、石油メジャーらは暴風雨に備えて一部の油田の従業員の避難を始めたと伝わっており、フロリダ州西部などの油田やガス田の生産が一時的に停止する見込み。なお、製油所は米メキシコ湾岸の西部に多いため、精製への影響は小さいという。 野神氏は、20~23日にかけてWTIの期近限月が11月限に移行した際に、10月限との限月間値差を埋めるための持ち高調整が入ったことも指摘。また、24日の注目点の一つとして、中国人民銀行総裁が会見を開くとしており、大規模な経済刺激策を打ち出すかどうかを挙げた。 日経平均株価は20日比256円43銭高の3万7,980円34銭で推移している。ドル円相場は1ドル=143.50円と、20日17時時点(143.63円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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