5日 原油は小幅反発、OPECプラスの増産延期観測で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は前日終値と比べ28セント高の69.48ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(10月限)は同27セント高の72.97ドル/バレルと、いずれも小幅反発している。 5日アジア時間午前の原油相場は反発。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が、10月以降に開始予定の原油減産幅縮小について、延期を協議していたと報じられたことが一因だ。また米国石油協会(API)が4日に発表した在庫統計で、米国の原油在庫が前週から740万バレル減少し、需給の引き締まりが意識されたことも大きい。 ただニッセイ基礎研究所の上野剛史上席エコノミストは「原油相場の上値は抑えられている」と指摘。米中経済の低迷への不安が台頭しているうえ、リビアからの原油生産の再開など需給の緩みを意識させる材料が多いためだ。 上野氏は目先の大きな注目点として今週末に公表される米国の雇用統計を挙げた。OPECプラスの減産については「強気なメッセージが打ち出されるかどうか」に注目しているという。また「発表のタイミングが重要」と述べる。雇用統計の結果を発表する前に増産の延期を発表しても、雇用統計の結果が悪ければ、打ち消される可能性が高いようだ。 日経平均株価は前日比203円35銭安の3万6,844円26銭で推移している。ドル円相場は1ドル=143.67円と、前日の17時時点(145.00円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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