30日 原油は小幅続伸、リビア産の供給懸念と持ち高調整で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は前日終値と比べ7セント高の75.98ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(10月限)は同14セント高の80.08ドル/バレルと、いずれも小幅続伸。 30日アジア時間午前の原油相場は小幅に続伸している。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、「前日の上昇要因をアジア時間午前中も引き継ぎ、上昇している」と指摘した。29日欧米時間の取引では、リビアからの原油供給の減少観測を受けて上伸。リビアの東部政府が石油の積み出しターミナルの操業停止を通達したことが材料視された。野神氏によると、同ターミナルからの供給停止に伴い、日量80万バレル近い原油供給が失われる見通しという。リビアからの供給減少に伴い、世界的な石油製品の需給引き締まりへの警戒から原油相場に上方圧力が加わった。また、米商務省が29日に公表した4~6月期の実質国内総生産(GDP)の改定値が、速報値から上方修正されたことも強材料のひとつ。米国経済のソフトランディングへの期待を受けて、アジアの主要株価指数が上昇していることも、株と同じリスク資産である原油先物の買いを誘った。 また米国では9月2日がレイバーデイの祝日となる。足元は中東情勢やリビアからの原油供給に不安が残るため、「連休前の持ち高調整もありそうだ」と野神氏は指摘した。 日経平均株価は前日比190円62銭高の3万8,553円15銭で推移している。ドル円相場は1ドル=144.76円と、前日の17時時点(144.72円)と比べわずかにドル高・円安方向に振れている。
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