25日 原油は小幅下落、高値警戒感で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は前日終値と比べ5セント安の81.58ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(8月限)は同8セント安の85.93ドル/バレルと、いずれも小幅に下落している。 25日アジア時間午前の原油相場は小幅安。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、買われ過ぎの領域に達したことで高値警戒感が上値を抑えている、と指摘した。このところの傾向として、アジア時間内では新規材料の乏しさなどから利益確定売りも入りやすくなっているという。 ただし、米政策金利の引き下げの期待感や地政学的リスクといった強気材料も見られ、相場の下げは限定的。野神氏によると、米国で28日に発表される5月個人消費支出(PCE)の指数は全体的にほぼ横ばいになる、との見通しが広がっている。市場では物価の上昇が沈静化に向かうとの予想も台頭しつつあるようだ。年内に利下げが2回実施されると独自に予想する市場参加者もいる。 地政学的リスクもくすぶる。ウクライナは23日、ロシアが支配するクリミア半島をミサイルで攻撃した。ロシア側は、米国から供与されたミサイルが攻撃に使用されたと主張しており、「米国とロシアの対立も先鋭化する可能性がある」(野神氏)。イスラエルとヒズボラなどの戦闘も激化しており、ロシアや中東からのエネルギー供給が滞るとの警戒感も意識されているとみられる。 日経平均株価は前日比196円39銭高の3万9,001円4銭で推移している。ドル円相場は1ドル=159.40円と、前日の17時時点(159.69円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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