22日 原油は続落、利下げ観測の後退と米ガソリン需給緩和に警戒感
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(7月限)は前日終値と比べ56セント安の78.10ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(7月限)は同53セント安の82.35ドル/バレルと、いずれも続落している。 22日アジア時間午前の原油相場は軟調。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員(=写真)は、「一昨日から下落が続いている」とし、米国の政策金利引き下げ開始時期が遅れるとの見方や、米ガソリン需給が緩和するとの警戒感が重石と指摘した。 15日に発表された同国の4月消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.4%となり、伸び率が鈍化。市場は年内の利下げを織り込む形となった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官らからはこのところ、利下げに対する慎重な発言が相次いでおり、早期の利下げ開始に対する期待感が削がれている。芥田氏は「FRBは利下げの観測が高まっていくことを牽制したいとの狙いがあるのだろう」と述べた。 米ガソリン需給が緩和する可能性が浮上した点も弱材料だ。米エネルギー省は21日、同国北東部にあるガソリン備蓄から100万バレルを放出すると発表したという。芥田氏は、夏のガソリン需要期に向かっているにも関わらず、同国のガソリン需要は足元で強くないと指摘。政府がガソリン備蓄を放出するとしたことで、需給緩和がさらに進むとの見方が台頭したようだ。 直近の注目点として22日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が挙げられる。芥田氏は「FRBのなかで利下げ支持派がどれくらいいるかはチェックする必要がある」と述べた。 日経平均株価は前日比232円82銭安の3万8,714円11銭で推移している。ドル円相場は1ドル=156.21円と、前日17時時点(156.23円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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