10日 原油は反落、利益確定の売りが先行
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(12月限)は前日比51セント安の39.78ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(1月限)は同46セント安の41.94ドル/バレルと、いずれも反落している。 前日の欧米市場での原油相場の急騰を受け、10日のアジア時間ではWTI、ブレントいずれも利益確定の売りが先行している。米製薬会社ファイザーが9日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で、9割以上の被験者に感染を防ぐ効果が確認できたと発表。これを受け前日の海外市場では米株価が高騰し、原油相場もWTI、ブレントとも前日から3ドル前後急伸していた。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「ワクチン開発を巡って久々に進展の情報だったこともあり株価、原油価格とも急激に上伸した。だが、足元の需給の緩さは払拭されておらず、高値警戒感からの売りが出ている」との見方を示した。欧州ではロックダウンを実施する国も出ているほか、米国でも新規感染者数が増加している。「ワクチンの普及にはまだ時間を要し、即座に経済停滞や需要の弱さを払拭するものではない。WTIは40ドル近辺が上値とみられる」(同氏)と指摘した。 一方、原油相場の下落を受け、石油輸出機構(OPEC)加盟・非加盟国(OPECプラス)が協調減産の規模を拡大するとの見方が広まっている。サウジアラビアのアブドゥルアジズ・エネルギー相が、需給に合わせて減産を調整する可能性に言及したほか、ロシアも減産拡大を肯定する姿勢を見せている。上野氏は「今月末から来月頭にかけて行われるOPEC総会、OPECプラスの会合を控えて産油国が発信するコメントが、今後材料視されてくるだろう」と付け加えた。 日経平均株価は前日比300円73銭高の2万5,140円57銭で推移している。ドル円相場は1ドル=104.83円と、前日17時時点(103.51円)からドル高・円安に推移している。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):69.74(↑0.08)
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