29日 原油は反落、米中対立の悪化懸念でリスクオフの動き
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(7月限)は、前日比50セント安の33.21ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(7月限)は、同18セント安の35.11ドル/バレルと、いずれも反落している。 中国の全国人民代表大会は28日、香港の統制強化を狙う「国家安全法」の制定方針を採択した。これを受け、トランプ米大統領は現地時間29日に行う会見で、対中制裁について言及する可能性がある。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「対中制裁が発表されれば、中国も何らかの対抗措置を執る公算が大きい。米中関係が悪化し、世界経済への影響や原油需要が減少するとの懸念から、原油先物や株式市場など、マーケット全体でリスクオフの動きが見られる」と指摘した。 また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による協調減産を巡り、一部産油国が7月以降も現行の削減量(日量970万バレル)の維持を求める一方、ロシアが7月以降の減産幅縮小の意向を示すなど、産油国内の足並みが乱れつつある。上野氏は「WTI、ブレントとも30ドル台を回復したことで、減産を巡る産油国の思惑にずれが生じている。こうした点も、相場の弱材料として働いているようだ」と付け加えた。 日経平均株価は前日比97円23銭安の2万1,819円8銭で推移している。ドル円相場は1ドル=107.40円と、前日17時時点(107.83円)からドル安・円高方向に振れている。 ◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):55.65(↓0.92)
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