中国=スチレンモノマー市場の現状と見通し
中国のスチレンモノマー(SM)市場は、国内の需要回復が遅い一方、供給には潤沢感がある。しかし、堅調な輸出が支えとなり、2月の旧正月連休明け後の相場は上げ基調となった。市場関係者によると、2~4月積みとして成約された中国品の輸出量は16万トンに上るという。
輸出が堅調な背景には、海外で複数のSM設備が稼働停止となっており、供給に不足感が強まっていることが挙げられる。米国では、2月に発生した寒波の影響で多くの石化設備が稼働停止した。また、欧州でも一部SM設備がトラブルのため停止した。こうした状況下、インドおよびパキスタンなど南アジア向けの需要が強まった。
先行きについて、中国では3月後半にCSPCおよびSinochem QuanzhouのSM設備がそれぞれ立ち上げを予定している。また、定修入りしていたSM設備も再開し始めており、供給が増える傾向にある。さらに欧州のSM設備の稼働再開および中東のSM設備の定修明けにより、輸出も後退しつつある。このため4月以降は先安観が強い。
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