中国=新型コロナの感染拡大によるPP市場への影響②
中国では、昨年末から新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。一部地域でロックダウンが始まっているほか、ほかの地域でも感染拡大の防止策を打ち出している。こうした状況下、物流に影響が出ており、多くの最終製品工場が生産を中止し、いち早く旧正月連休入りしている。これを受け、ポリプロピレン(PP)向けの需要が後退している。ただし、このところPP先物相場が高騰していることを好感し、石化メーカーが販売価格を切り上げるなど、スポット市場も強含んでいる。
これに対し、需要家は高値に抵抗感があるものの、旧正月連休明け以降の物流回復が遅れることを懸念。早めの在庫補充に動き、買いが活発となっている。また、原料であるプロピレン相場が高値を維持してきた半面、PP相場が割安水準に留まっていたため、コストを勘案すると下げ余地はない。
先行きについて、旧正月に近づくとともに新型コロナの感染拡大がさらに深刻化する可能性があり、需要が後退し、PP在庫が積み上がる公算が大きい。こうした状況下、PPメーカーが減産せざるを得ない局面も見られるとの懸念の声が上がっている。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.